~松山工業株式会社の会議室を事例として~
本研究は神奈川大学経済学部の行本ゼミナールとの共同研究です。
研究の背景は?
中小企業では、会議室は社内会議以外にも、社員の休憩所として使われたり、来客時の応接間として使われたりしています。
そこで、社外の人にその企業の製品をアピールする場として、会議室を有効に使えたらよいのではないかと考えました。
研究の目的は?
・社外の人が、その企業の業務内容をパッと見て分かる会議室にする
・社内、社外を問わず、誰もが居心地の良い空間にするためのリノベーション
研究のプロセスは?
既往研究の調査
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松山工業株式会社の会議室を事前調査
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会議室リノベーションの提案と実施
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考察と研究のまとめ
会議室リノベーション実施前にしたことは?
世田谷区に本社のあるシリコン素材の商社、松山工業にご協力いただき、
会議室の使用状況、使用者、問題点を事前に調査しました。具体的には、2017年11月に、会議室の初調査、鵜久森社長にヒアリングを行い、2018年1月に、社員にヒアリングを行うとともに、会議室の計測を行いました。
提案内容、リノベーション内容は?
●一次案
1.段差をなくす
出入り口に高さ20センチほどの段差があったため、これをなくすために床全体を上げ、天井を抜き、十分な天井高を確保する
2.採光の改善
会議室に入ると暗い印象だったので、シャッターを開け、棚の配置を変更。
3.家具の移動
来客の動線を変更し、着席前に会議室全体を見てもらえるようにする。
4.わかりやすい棚
棚を3つから2つに減らし、見せたいものを厳選して配置する。紹介するものは分野ごとに分け、手に取ってほしい製品はお客様のそばに、説明が必要な製品は会社側の席のそばに置くようにする。
●一次案にフィードバックをもらい、最終案を検討
1.ステップの設置
入り口の段差解消のため。
2.会社の年表と事業内容をまとめたポスターを壁に貼る
会社への興味を高めると同時に、会議室の雰囲気も変化させた。
考察
一次案には徹底的なフィードバックを頂いたうえでのリノベーションとなりました。その甲斐あって、社長、社員の皆様から高評価を頂け、成功と感じました。
頂戴した感想:
「学生の新しい発想に驚いた」
「自分たちでは、無理だと決つけていたレイアウト提案だったため、革新性を感じた」
「社歴を表現したポスターは、愛社精神が生まれる」
・入り口の段差について認識のずれがありました。
筆者にとっては大きな課題と感じましたが、社員はこれまでの大きな段差に 慣れていたために変更後かえって違和感があったようです。ただ、会議室を社外の方も利用する以上、安全の確保はやはり必要だったと考えています。
謝辞・感想
松山工業の鵜久森社長をはじめ、社員のみなさんご協力ありがとうございました。会議室のリニューアルをきっかけに、無担保で銀行から融資を受けられたとのことお聞きしました。私たち学生もお役に立てて良かったです。
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