デザインプロジェクト科目とは
3年次の春学期に行われる関東学院独自のプロジェクト・ベースド・ラーニングです。教室から出て現場を経験することで、社会で必要とされる実践力を身につけることを目的としています。佐々ゼミナールの学生のほとんどは、佐々が担当するデザインプロジェクト科目8を履修しています。
プロジェクト概要
現代社会では、商品デザインは付加価値の域を超え重要な「価値」となっています。「ユーザーにとっての価値はなんであるか?」を事前に調査し、デザイン情報を得てからデザインや企画の段階に移ることは、重要になっています。三菱電機デザイン研究所と連携のもと、デザイン情報を得た上で商品デザインプロデュースを実践しました。今年度のお題は「冷蔵庫」です。プロジェクトでは、エスノグラフィ(観察調査)による訪問調査を実施した上でデザイン企画をしました。
エスノグラフィ(観察調査)とは
社会学や文化人類学で行われていた調査法で、観察を中心としたフィールドワークにより様々な気づきを得られることが特徴です。ここでは対象を一般家庭の冷蔵庫に設定。デジタルカメラなどを持参して一般家庭(20〜50歳代のご家庭5軒)を訪問し、冷蔵庫がどのように使われているかを観察させていただきました。
最終成果物:商品企画提案の一例
エスノグラフィ調査の結果を踏まえ、学生一人ひとりが商品企画提案をしました。以下はその一例です。
提案の背景
訪問した家庭では、冷蔵庫の設置されている場所が狭いことが気になりました。冷蔵庫のドアを開けると人が立つのもやっとです。また、保管されている食品が外からは見えないので腐らせたり、既に購入している食品をまた購入することが起きていました。
提案コンセプト
そもそも冷蔵庫にドアっている?食品直取りできちゃう冷蔵庫
スーパーの食品売り場と同じような冷蔵庫。食品を見て直取りすることができるドアのない冷蔵庫。ドアの代わりに上からの送風によって断熱する。夜や外出する際はロール式のカーテンを下げて省エネに・・・。
三菱電機デザイナーからのコメント
成熟商品において、アイディアを展開するのは大変だったと思う。「まだまだ冷蔵庫の企画は、やりようがありますよ」という学生からの強いメッセージを感じた。プロジェクトは期待以上の結果である。
プロジェクトを終えての学生の感想
実際にユーザー宅を訪問して、エスノグラフィ調査やインタビュー調査を行いました。最初は緊張しましたが、どのご家庭も私たちに協力的で優しく接して頂き、おかげで様々な発見をすることができました。